平成30年度受賞団体
表彰
AWARD
優秀賞
NPO法人サステナブルネット
ひとり親世帯の支援について、地域・企業も巻き込み、持続的な仕組みを独自に構築した点。特にお食事券の発行による子ども食堂の利用をためらう層へのアプローチなど、アイデアと行動力について高く評価しました
NPO法人静岡司法福祉ネット明日の空
軽微な犯罪を繰り返して受刑を重ねてしまう生活困窮・高齢・障がい等を抱える人たちの更生支援を、被疑者・被告人段階からの支援と多様な分野の専門職との連携によるモデル化「静岡方式」の可能性等について高く評価しました。
奨励賞
みんなのえがお おたまちゃん食堂
「子ども食堂」や「フードバンク」を中心として、様々な立場の人が子どもに関わっていくための間口を広げる活動を評価しました。
銀さら勉強会
医療・福祉・司法・報道・就労・行政など多職種の交流と学びの場となる定期的な勉強会と、広く市民に向けた重層的な総合相談活動「医療・福祉 なんでも相談会」を評価しました。
裾野市東地区おやじの会
毎月開催される非日常的な「何にもしない合宿」が生み出す社会資本や地域の土台となる「人」が積み上がっていく取組が、新鮮で継続力もあることを評価しました。
神谷基金賞
社会福祉法人春風会
沼津市立高尾園
積み木プロジェクト
手作りの「積み木」を無償で贈るプロジェクトを通して、子どもたちがノーマライゼーションを当たり前に育つ点と、事業所・保育施設・企業をつないでいる点を評価しました。
社会福祉法人 復泉会
障がい者の就労事業運営による生活の場をつくり出す活動において、7次産業を通し地域の多様な人々とかかわりながら、地域に根付いている点を評価しました。
はまかぜciao’s
地域性の高い「ソーシャルフットボール(精神障がい者フットサル)」を通した体づくりや喜び、楽しみを実感できる活動を評価しました。
みらいねっと浜松
楽しみながら学べる防災ツールに発展させた「みんなの防災すごろく」の新規性と、地域の学校も巻き込んだ協働活動である点を評価しました。
ホットファーム株式会社
アップルスタートマトの栽培を通した「農福連携」と、社会福祉法人と提携した栽培・出荷・販売を一貫して行う補完的関係を評価しました。
講評
COMMENT
池田 恵子 (地域づくり推進委員会委員長)
静岡大学教育学部・同総合防災センター教授
「つながり」は地域共生への第一歩
自然発生的に生まれにくい「つながり」をつくりだす熱意と工夫に、学ぶところが大きいと感じた。「つながり」は人を成長させ、地域への関心を高める。子どもたちや若い世代を巻き込んだ活動に、特に希望を感じた。
見野 孝子(地域づくり推進委員会副委員長)
株式会社LCウェルネス代表取締役社長
受賞団体の活動は今、ヒトが・地域が・社会が求めているものであり、その働きは地域の活力を生み出している。もっと 広がれ 共生の輪!
活動の場は、支えられたり支えたりする人の居場所・行き場所・生きる場所であり、人とのつながりであたたかさを持てた人はそれをわかちあうことができる。
小林 惠子
ふじやまママ 代表
一歩ずつ、しかし着実に共生の地域社会が広がっている
地域のさまざまなニーズに対して、ていねいに取り組まれていることに元気をもらいました。また、静岡ならではの先進的でチャレンジングな事例も少なくなく、今後「静岡発」として多くの共感と活動の輪が広がることを期待したい。
三枝 智宏
浜松市国民健康保険佐久間病院院長
思いを実現するために地道な努力をされていることに感銘を受けた。
県内各地で様々な背景を持つ方がいろいろな思いを持って活動されている。そしてその実現のために多分野多職種と関係を持ちながら進められている。ひとりひとりの小さな思いから始まり、つながりを持つことで膨らみながら、地域共生社会が形成されていくのであろうと感じた。
鈴木 緑
株式会社京丸園総務取締役
『多様な人たちが暮らす社会実現』は他人事でなく自分事として、小さな一歩を踏み出してできるものだと感た。
皆さんが暮らしの中で、必要だと感じるもの・周り(地域)から求められるものについて、連携を取りながら(仲間作り)・課題を解決しながら続けており、地道な小さな活動こそが光を当てられるべきものだと感じた。多くの人に知っていただきたい事例であった。
渡邉 良子
静岡県健康づくり食生活推進協議会会長
地域共生の実現に出来ることを一緒に考える良い機会になった。
資金が少ない中、各団体の取り組みに対する思いや努力が良く分かり、地域の方たちの理解や協力を下に、全ての人たちが関わりを持ち、地域、暮らし、生きがいを共に創れる地域共生社会の実現の第一歩につながったと思う。 各団体の分野は異なっても工夫を凝らした取り組みなど参考になったのではないか。
飯倉 清太
特定非営利活動法人 NPOサプライズ代表理事
多くの人たちとの連携から生まれる地域共生
自然発生的に生まれにくい「つながり」をつくりだす熱意と工夫に、学ぶところが大きいと感じた。「つながり」は人を成長させ、地域への関心を高める。子どもたちや若い世代を巻き込んだ活動に、特に希望を感じた。
表彰式
SYMPOSIUM
新しい「ヒト・コト・地域」を創ろう!
シンポジスト
NPO法人サステナブルネット理事長 渡邊氏
認定NPO法人静岡司法福祉ネット明日の空代表理事 飯田氏
地域づくり推進委員会副委員長 株式会社LCウェルネス代表取締役社長 見野氏
地域づくり推進委員会委員 特定非営利活動法人 NPOサプライズ代表理事 飯倉氏
地域づくり推進委員会委員 特定非営利活動法人コラボりん湖西代表理事 神谷氏
地域づくり推進委員会委員 ふじやまママ 代表 小林氏
地域づくり推進委員会委員 浜松市国民健康保険佐久間病院院長 三枝氏
地域づくり推進委員会委員 株式会社京丸園総務取締役 鈴木氏
地域づくり推進委員会委員 静岡県健康づくり食生活推進協議会会長 渡邉氏
コーディネーター
地域づくり推進委員会委員長、
静岡大学静岡大学教育学部・同総合防災センター教授 池田氏
表彰式の余韻も冷めやらぬ中、シンポジウム「新しい『ヒト・コト・地域』を創ろう!」が行なわれました。コーディネーターは地域づくり推進委員会委員長 静岡大学静岡大学教育学部 同総合防災センター教授の池田様。シンポジストには『ふじのくに「地域共生」大賞』で優秀賞を受賞した「NPO法人サステナブルネット」理事長 渡邊様と「認定NPO法人静岡司法福祉ネット明日の空」代表理事 飯田様に、地域づくり推進委員会委員7名(副委員長 株式会社LCウェルネス代表取締役社長 見野様、特定非営利活動法人 NPOサプライズ代表理事 飯倉様、特定非営利活動法人コラボりん湖西代表理事 神谷様、ふじやまママ 代表 小林様、浜松市国民健康保険佐久間病院院長 三枝様、株式会社京丸園総務取締役 鈴木様、静岡県健康づくり食生活推進協議会会長 渡邉様)が登壇。”我が事・丸ごと”の地域づくりに向けた「ヒト」「コト」「周知・広報」「繋げ方」の4つの視点について、地域づくり推進委員会委員それぞれの分野に基づいた質問を投げかけながら、渡邊様や飯田様が取組んできた実績の紹介やこれからの課題など、具体的なノウハウを伺いました。
優秀賞の2団体に共通することは、同じ福祉分野で活動する団体との積極的な繋がりづくりはもちろん、福祉以外の分野で活動する団体・組織・専門家に自ら接触し繋がっていく「異文化理解」によって、地域共生を着実に進めているということ。そして、地域共生のための事業を運営していくにあたり、資金や人といった活動のための資本が常に不足しているという課題も明らかになりました。
これを受けコーディネーターの池田様から、同じような活動をしている離れた地域の方々や、中間の存在と言われる事業者からの声に敏感な一般の方々に、助ける側の事業者もSOS(助けを求める信号)を出し、ボランティアや寄付の協力を求める声を積極的にあげていくことも大事なのではないかとの意見がでました。また、シンポジストからは、継続していくための資金の集め方やネットを使った情報発信の方法など具体的なアドバイスも提示され、地域づくりに取組む団体にとって有効な情報交換・発信の場となり、多くのヒントや気づきをもたらすシンポジウムとなりました。